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H30.第7.8.9講

第7講 テーマ 『地域共生社会の実現を目指して ~地域福祉計画を活かす』

2018年11月8日(木)13:3016:30

地域共生社会の実現を目指して~地域福祉計画を活かす

同志社大学社会学部 教授 永田   祐  氏

 家族、地域社会、会社など個人と社会を結び付けていた機能が低下し、さまざまなリスクが直接個人に降りかかり、社会的孤立が深刻化しています。しかし、従来の分野別・縦割り支援では対応できず、制度に横糸を通し、身近な地域で「我が事」「丸ごと」のによる全世代全対象型の地域共生社会を実現することが、社会福祉法改正の背景です。

 地域生活課題について、地域住民等と支援関係機関が連携して解決を図ることを推進するために、行政が行う施策を定めるのが地域福祉計画です。地域福祉計画についての改正のポイントは、①地域福祉計画策定の努力義務化、②上位(基盤)計画としての位置づけ、③包括的な支援体制構築の位置づけ、④進行管理及び評価の努力義務化があります。境界を越えた協働が創造する新しい可能性を実現するため、お互いが「のりしろ」を出し合う計画づくりが協働実践であり、みんなが元気になれる仕組みづくりとなります。

名張版地域共生社会の構築について~三重県名張市の実践

三重県名張市福祉子ども部地域包括支援センター  藤本 勇樹 氏

  高齢化の進展に伴い、国は地域包括ケアシステムの構築を急いでいます。住民主体の生活支援のサービスを掲げ、支える側を増やそうと法律改正がなされました。

 名張市では、地域共生社会をめざし「我が事」の意識を高めるため、従来の174の自治会等を廃止し、小学校区単位で15の地域組織に再編しました。子育て広場や住民と教育との連携、有償ボランティアによる生活支援などにより地域のつながり、互助(地域力)を高めています。「丸ごと」の相談支援体制として、15の地域組織単位に専門スタッフが核となって健康・福祉の総合相談や健康づくり、介護予防、見守り・支援ネットワークづくり等を行う「まちの保健室」を設置。また、「多機関の協働」を実現するため、地域づくり組織、まちの保健室と連携、高齢、障害、児童、困窮、教育の各分野で任命された5名のエリアディレクターが関係者の連携調整を行っています。

第8講 テーマ 「多様性を尊重するまちづくり ~LGBTの理解を契機に』

2018年11月22日(木)13301630

生き残りをかけて、地域で未来の種を育てる~                          「郡上カンパニー」における官民協働チャレンジのつくり方

郡上カンパニー事務局・ディレクター 小林 謙一 氏

 岐阜県郡上市 市長公室 室付部長 置田 優一 氏

  郡上市の大きな柱のひとつに「観光立市郡上の推進」があります。地域の宝を磨き、地域社会全体を豊かにしたい。観光客の消費を地域の中で経済循環させたいと考えています。そもそも人口減少を背景に当地で移住促進事業が始まりましたが、地域の担い手の拡充、新規雇用創出を図ることにステップアップして、「郡上カンパニー」の取組みにつながっています。人口減少は止められませんが、地域を創る担い手は減らない仕組みづくりです。

 郡上を舞台にした郡上らしい挑戦の仕組みとしてのローカルベンチャーを育てることが郡上カンパニーの役割です。郡上の人が自分の「やってみたい」を形にする場としてローカルアイデア会議で議論し、共創ワークショップに都市部の人が参加、その過程で絞り込んだ未来事業プロジェクトを郡上の人と都市の人が一緒に共同創業、3年以内の起業をめざす取り組みです。郡上カンパニーの活動は、都市か地方かという二極対立を超え、都会の若者との官民協働のチームづくりと言えます。

長野県飯田発、集まった人が次々と輝く、ローカルプロジェクト

株式会社週休いつか 代表取締役 新海 健太郎 氏

 長野県飯田市には、「自分たちのことは自分たちでやる」という風土があります。私たちは、飯田市の「丘の上」と呼ばれる中心市街地に、地域に関わる人たちの「たまり場」を何か所も開設しています。「何かをやりたい、やりたいことを実現したい」人が集まりつながる場としての「裏山しいちゃん」のほか、シェアカフェを始め起業サポート的な場の色合いが強い「山羊印カフェ」、高校生のためのシェアスペースとして始め市内高校生全てに届く情報誌PUSH!!を発行する「桜咲造(さくらさくぞう)」などを開設、運営しています。 

 不確実性が高い現代社会では、変化に対応できる「場当たり力(計画的偶発性)」が重要です。受動性、自主性から内発性を大切にしたい。内発性を醸成すると、偶発的な出会いが生まれ、自律性や創造性が高まります。自立分散協調を地域に広げるファシリテーターを増やし、心の底から「やりたい」と思うことを実現する地域づくりをめざしています。

第9講 テーマ 「所有者不明の土地がもたらす問題と解決策」

2018年12月11日(火)13301630

所有者所在不明土地問題を考える

 

早稲田大学大学院法務研究科 教授 山野目 章夫 氏

  所有者不明土地とは、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索をおこなってもなおその所有者の全部又は一部を確知することのできない一筆の土地(所有者不明土地法2条)を言います。

 所有者不明土地問題へ対応するために、(1)所有者及びその所在を明らかにするための措置として、①登記を促す上で必要な登記官の調査権限の拡充や、所有者へ登記手続きの勧告、税制上の誘導措置、②変則的な登記手続きの簡略化など登記方法の工夫、また(2)所有者及びその所在が明らかとならない土地について、都道府県知事による裁定で収用できる制度改革のほか、知事の裁定に基づいて地域福利増進事業のために土地の使用が一定期間認められることなどが、所有者不明土地法において定められました。

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法について

国土交通省土地・建設産業局企画課 課長補佐  栗山 達 氏 

  所有者不明土地の増加は、公共事業の推進等において大きな支障となっています。所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(所有者不明土地法(平成30613日公布、平成3161日全面施行))は、大きく①所有者不明土地を円滑に利用する仕組み、②所有者の探索を合理化する仕組み、③所有者不明土地を適切に管理する仕組みが規定されています。

  本法の運用により、収用事業における所有者不明土地は、土地収用法の特例措置として都道府県知事の裁定手続により円滑な事業実施が図られるほか、地域福利増進事業事業者の範囲拡大、国又は地方公共団体の長は家庭裁判所に対して不在者の財産や相続財産の管理人の選任を請求できること、土地所有者等関連情報の利用及び提供措置など、所有者不明のため管理不全土地の有効利用・適正管理などへの効果が期待されます。